早稲田大学 知覚情報システム・メディアインテリジェンス研究室

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小川准教授着任

2016/04/01

小川哲司准教授が情報通信学科の専任教員として着任しました。

(2016.04.01)

 

着任のご挨拶

「20164月より基ogawa_3x4幹理工学部情報通信学科に着任いたしました.着任前の4年間は,基幹理工学研究科に所属しながら,秋学期はエジプト・日本科学技術大学(E-JUST)に4か月滞在してエジプト人学生の研究指導と専攻運営のお手伝いをし
,また春学期はジョンズホプキンス大学やブルノ工科大学に数か月滞在し,第一線の研究者と共同で未知の環境でも頑健に動作するパターン認識システムの構築法に関する研究を行ってきました.

欧米の大学で目にしたのは,自分たちで分野を切り開き開拓していこうという圧倒的なリーダーシップと,研究機関の枠にとらわれない連携によるスピード感を持った実行プロセス,そしてイノベーションを阻害する要因を徹底的に排除しようという高等教育機関・研究機関としての在り方でした.そもそも,我々が活動している情報・通信という研究領域はスピード感を持って日々拡大しており,一人の研究者や一研究室でできることは必然的に限られてしまいます.したがって,一つの専門や枠にとらわれず新しいチャレンジを可能とする風土や実際の連携の必要性を強く感じています.特に,単純にお互いの分野の知識や技術を持ち寄るのみならず,これまでになかった「ものづくりのための方法論」や「視座」を与えるような新たな試みが重要であると思っています.

 さて,本研究室では,音や映像,人間の行動情報の理解・認識に関する研究を通じて,人間の機能・行動原理を理解・解明するとともに,メディア情報の有効な活用方法を探求することを目指しています.最近では,人間が持つようなメタ認知機能(「わかっているかいないかがわかる」機能)をパターン認識システムに持たせることで,データの収集だけに頼ることなく未知の状況でも頑健に動作するシステムの構築法や,人間の行動をモニタリングしてその因果関係を明らかにすることに興味を持っています.日々蓄えられていくデータを活用して自動でシステムを成長させ,未知の状況に適応可能にするアルゴリズムの確立がその基礎となりますが,これは人の成長過程にも通じるところがあります.研究者・教育者としての基礎を学んだ早稲田大学で,学生の皆さんが未知の課題に対峙し得る力を習得するためのお手伝いができる喜びと責務を感じています.」(小川哲司)

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